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真新しい制服に身を包んだ男女三百余人。

落ち着き無くキョロキョロするヤツ、ガチガチに緊張してるヤツ、鏡でチェックするヤツ、携帯いじるヤツ、ガム噛んでるヤツまでいる。

今日は晴れの入学式だぞ?

少しはケジメっつうもんつけろよ…。

「おい、三浦…」

声の方を向くと、中学時代のライバル、鈴木俊哉がいた。

「鈴木!!」

「こら!静かにしろ!式はもう始まってるんだぞ!」

入学早々怒られた…。

周りから失笑が起こる。

「お前のせいで怒られたじゃんか!」

出来るだけ声を潜めた。

「お前が大きな声出すからだぞ」

「なんでお前がここにいるんだよ?」

「なんでって、俺の頭じゃここが限界なんだよ」

俺が入学した高嶺高校は、中の上レベルの公立だ。

「お前ならバスケの推薦取れただろ?」

「蹴った」

「はあ?なんで?」

「公立でレギュラー目指す。そして県大会優勝させる」

「壮大な夢だねえ」

「そういう三浦は?お前だって推薦取れただろ?」

「蹴った。理由は違うけどな」

俺はバスケから離れたくなって、公立を選んだ。

「なんでだよ?バスケは続けんだろ?」

「3on3くらいならな」

「はあ?ふざけんなよ!」

「お前たちいい加減にしろー!」

体育教官らしきマッチョな先生に呼び出された。

「お前たちの席はここだ」

教員席の真横に座らされた。

クスクス笑い声が聞こえる中、式は終わった。


―2―
「クソー、あのマッチョ完全にイジメだろ?行き過ぎた体罰だろ?」

俊哉は悪態をついた。

「仕方ないだろ?一度注意されて静かにしなかったんだから。入学式でだぞ?」

「お前は優等生だな。ところでバスケは辞めんなよ?高嶺中の俺に、緑中の三浦が加われば、県大会優勝狙えるぜ」

「ゆっくり考えるよ」

「呑気なこと言ってんなよ!すぐに入部だ!すぐに!」

「まだ考える時間はあるだろう?じっくり考えたいんだ」

クラス編成で俺は五組、俊哉は六組だった。

驚いたのは、担任がマッチョの寺地先生だった…。
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