それでもあなたに恋をする
「違うわよ!」
思わず大声で否定してしまう。
そんな私を見て、山口君は楽しそうにけれど、やんわりと微笑む。
――何よ、何なのよ。
もっと小馬鹿にするかと思ったのに。
そんな予想外の笑顔見せるなんて。
反則だわ。
そんな私の動揺何て知らない山口君は、ふっと表情を戻して手元の予定表に視線を落とす。
「課長、先程の続きですが」
「――」
他人のペースは乱すくせに、自分は何事もなかった様な顔して。
本当に……生意気。
そう思いながらも打ち合わせを続け
「以上です。」
「分かりました。では、今日も宜しくお願いします。」
と、私の一言で終了させたはずだった。