それでもあなたに恋をする
なのに


山口君はあっ!という顔をして


「すみません課長、もう一件。」


「――何?」


他に予定があったかしら?

頭の中で考えながら返事をする。



「今日は珍しく定時で上がれそうなので、新人歓迎会を行うそうです。」


歓迎会?

突然決まったの?




「え!ちょっと待って。何人参加するとか、分かっているかしら?毎年歓迎会の幹事は私が頼まれているから、場所もおさえておかないと」


今からで間に合う? 

去年と同じイタリアンのお店に連絡入れてみようかしら――


今日の今日なんてと慌てながらも頭はきびきびと働き、デスクの名刺ホルダーをめくりながら受話器に手をかける。
 



すると、突然

私の動きを止める様に受話器を持つ手に彼の手が重なった。


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