それでもあなたに恋をする

「常務の車で先に向かわれましたので、我々も行きましょう。」



山口君はさらりと言った。




「お二人は車で向かったの?じゃあ、常務は飲まないつもりかしら…?」



我ながら下らない心配していると思うが、お二人共お酒が好きだから、我慢出来るとは思えない。




だけど山口君は、

「大丈夫です。」

と微笑んだ。






爽やか過ぎるその笑顔……反則、よね?




「――そう、ね。子供じゃないものね。」



そんな風に呟いて、不覚にもときめいてしまった胸に、気付かないふりをした。
< 27 / 62 >

この作品をシェア

pagetop