それでもあなたに恋をする
「雅!待ってたわ!」
中に入ると同時に、社長に手を取られリビングへと連れて行かれる。
「あの、社長?」
「今は先輩でいいわよ。」
「…あ、はい。」
先輩のペースに巻き込まれて、聞きたい事が聞けない。
だけど、先輩はとても楽しそう。
山口君も、私達の様子を見てクスクス笑っているみたい。
そしてリビングには、ニコニコしている常務の姿があった。
「4人だけで、"歓迎会"ですか?」
いつもの歓迎会と違うのは目に見えて分かる。
でもあえて、拗ねた口調で呟いた。