それでもあなたに恋をする


どうしたんだろう。


身体だけが目当てだって、始めから分かっていたのに。


いつもなら、それでも来てくれただけで嬉しかったのに。





「ごめん、今日は疲れてるから。」




部屋のドアを開ける事すら出来ない。

正直、招き入れたくなんて無い。





すると彼は怪訝そうな顔をして



「どうした?雅今日はおかしいな?」


探りをかけるように私の頬に触れようとする。






「・・・・・・ごめん。」




本当に、おかしいみたい。


触れられたくないと咄嗟に反応した私の身体は、彼の手から逃れる様に後ろに下がっていた。



そんな私の態度を見て、彼は驚いたように目を見張る。






「本当ごめん。今日は、無理。」


どうしてしまったのかなんて、自分でも分からなくて。

今はただ、この人を部屋に入れたくはなかった。


< 40 / 62 >

この作品をシェア

pagetop