それでもあなたに恋をする
どうしたんだろう。
身体だけが目当てだって、始めから分かっていたのに。
いつもなら、それでも来てくれただけで嬉しかったのに。
「ごめん、今日は疲れてるから。」
部屋のドアを開ける事すら出来ない。
正直、招き入れたくなんて無い。
すると彼は怪訝そうな顔をして
「どうした?雅今日はおかしいな?」
探りをかけるように私の頬に触れようとする。
「・・・・・・ごめん。」
本当に、おかしいみたい。
触れられたくないと咄嗟に反応した私の身体は、彼の手から逃れる様に後ろに下がっていた。
そんな私の態度を見て、彼は驚いたように目を見張る。
「本当ごめん。今日は、無理。」
どうしてしまったのかなんて、自分でも分からなくて。
今はただ、この人を部屋に入れたくはなかった。