それでもあなたに恋をする


「彼女を易々と横取りされるわけにはいかないので、あえて邪魔をさせて頂きます。」





山口君はひるむ事なくきっぱりといい放つ。


私はといえば、そんな彼の背中を黙って眺める。



私が困っていたのを見て助けてくれてるんだって、分かってる。

他意はないって、必死に自分に言い聞かせる。




でも、それでも、山口君の口から出た言葉にときめいてしまって、さっきから心臓がドキドキうるさい。





「君は、雅の何?」


冷静なはずの彼がチッと舌打ちをして、山口君に問いかける。

< 44 / 62 >

この作品をシェア

pagetop