俺様彼氏注意報
女の子はそうですか…
うっと涙を押さえ走り去っていった。
お嬢さんは素敵な青春の一ページを飾ったのよ…
なーんて上手く働かない頭で馬鹿なことを
考えるあたしの元に足音が近づいてきた。
「北条さん…聞いてました?
覗き見なんて悪趣味ですね」
周りの空気を浄化するような綺麗な声でニコッと
笑いながらあたしの顔を覗きこんで言うこの男に
あたしはただただ口が塞がらない。
ハッと慌てて意識を戻し、
『ちょっと!なんであんな嘘つくのよっ
断るためにあたしを利用しないでくれる!?』
と言うと、彼は変わらぬ笑顔で
"嘘じゃないですよ"と言った。