【短編】12年の想い
「亮ちゃんには関係ない。」

泣きはらした目で亮ちゃんをキッと見て掴んでる手を振り払った。

今さら干渉なんてしてほしくないねん。


「お前・・どんだけ心配したて思とるん?バッグないしカラオケ行けんやろ思って探しまわったんやで!?軽率な行動すぎるんちゃうんか!?」


「はいはい、どうせ子どもですから。ごめんなさい。」


自分でほんま可愛くないわって思った。

もう早くこの場から立ち去りたい。

そう思って早く話終わらせたかった。


「目、冷やしとき。」


そう言って亮ちゃんは隣の家へ・・亮ちゃんの家へ戻って行った。

そんな腫れとるんやな・・恥ずかしい。

でも後の祭りや。


何も言わずわたしも部屋に戻った。

親は帰って来とったけどリビングにはおらんかったから泣きはらした顔を見られずに済んでよかったて思った。


部屋に入ると今日のことを思い返してため息ばかり。

言わんならよかった。

そしたらまだ亮ちゃんのそばにおれたのに・・・。

大好きやねん。

こんなことですぐ吹っ切れるくらいの軽い想いではないねん・・・。

これからどうすればええんやろ。

12年分の大きなこの想い。


お先真っ暗だった。
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