【短編】12年の想い
そんな彼女が8月の終わりに

「亮、妊娠した。」

って打ち明けてきた。

病院にも行ってきとるらしい。

ほんまは結婚なんてしたくない。

でも俺の責任や。


「そか。産み。今は学生やけど就職も決まっとるし。頑張るわ。」


あーこれでほんまにチョコから離れなあかんねんな。

そう思ったけど毎日のように遊びに来るチョコ。

俺に抱きついてくるチョコ。

拒めない俺。

現実を受け入れれなかった。


何日かして彼女が


「ゴメン、堕胎した・・・。」

って打ち明けてきた。


「何でなん!?」


「亮の1番になれんからよ!!ずっと不安やった・・・。1番でもないのにこれからずっと子どもで繋ぎ止めとくの・・嫌やった。亮、優しすぎんねん。その優しさ、辛いわ。」

彼女をずっと苦しめとったんやってそのとき気付いた。

でも子どもを、俺の子どもでもある子を勝手に堕ろしたのが許せなくて俺らは口げんかがおさまらず、別れることになった。

そのときに彼女が言うた言葉は


「女の子やったんよ。たまには思い出してね。あと・・勝手なお願いやけど忘れんためにこの子堕ろした6日から1年、彼女とか作らんとって・・。きっと悲しむから。」


その言葉に俺は頷いた。
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