【短編】12年の想い
そしてゲームは俺の完勝。

ふてくされて寝転ぶチョコ。

スカートで寝転ぶチョコ。

ほんま男扱いされてへんなって感じる。

襲ったりしたらどうするん??

まさか俺以外の奴の横でもそうしてるんとちゃうやろな??

理性、保てへんぞ?普通の奴は。

大人気ないだの、そんな会話しながらこんなこと考えとったそんなときやった。


「ん、亮ちゃん落ちとったで。」

起き上がって渡してきた紙。

ひっくり返ったとき見えたんは・・この前別れた彼女やった。

急いでピッと抜き取った。

チョコがビックリしとるのがわかったけど・・・見られたくなかった。


もちろん平気な顔していつもの笑顔のまま「彼女~?」とか聞いてくるチョコ。

ほんまきつい。

そうだったらええな~。っていう感じで、表情で言うなや。

そのたびにまた心に傷がつく。

多分俺は願いが叶うなら・・・チョコの心をくださいって言うな。

それほど遠い願いや。


その答えには「秘密や。」って遠ざけた。


「そっか♪亮ちゃんモテそうやもんね。自慢のお兄ちゃんや。」

よくも言うてくれたわ。

今1番のタブーや。

チョコみたいな妹、いらんわ。

チョコが妹やったら大変やわ。

俺はそれに答えずゲームをしようと言ってゴマかした。

したら・・

「あー・・・わたし今日用事あるし、そろそろ帰るな。用意せなあかん。」

なんて言い出す。

彼女やって勘違いしたんやろか。

でも卒業式やし、用事あってもおかしくないしな。


「そうなん?卒業式やし、見回りおるだろうから気つけなあかんで。どこ行くん??」

ゲームをやめるかのようにコントローラーを置いた。

どこ行くんかそれより気になるわ。


「カラオケ♪なんか他校の男の子らと友達で卒業パーティーするって言うとった。」

はぁ!?

他校の男って誰やねん!!

あかん、絶対あかんわ!!危ないやろ!!1番気抜けとる日やし!!

でも・・俺も行きよったし、卒業式やし・・止める立場やないし・・・。

ほんま嫌やけど

「そうなんや。ハメ外しすぎたらあかんからな。」

背中押すしかないんよな・・・。
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