【短編】12年の想い
ほんま愛しい。

見れば見るほどいいところを見つける。

でも手に入るとこまで来て・・俺は手を放してしまった。

あんなに願ってたチョコの心が手に入ったのに掴むことができなかった。


なんてアホなんやろか。

そんなに自分の過去が知られるのがこわいんか??

チョコがおらん人生を選ぶほうがええんか??

約束のこと、話すことが出来ひんのか??


次の日もひたすらゲームしながら考えとった。

タバコばかりが増え、頭痛がした日やった。



またその次の日、前の彼女に電話をした。

電話は4コールくらいで繋がった。


「もしもし?」


「今、大丈夫?」


俺から今さら連絡が来たことに驚いてただろう。

声が驚いてる。


「うん・・。どうしたん??」


「約束、だけど・・。」


「破ったん??」


「いや、破ってへんよ。」


ちょっとホッとした声で彼女は続けた。


「なんや、ビックリした。どうしたん?」


「そのことを伝えたい子がおる。約束があるから今は無理やって。それはええ?」


一応俺は彼女に伝えておきたかった。

これからチョコに伝える自分の思いを。

もし彼女が嫌やって言われたら言わないでおこうって思った。

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