【短編】12年の想い
意を決してチョコの家に行くとまた健治が出てきた。

そういえば今日は日曜日。

休みか。


「チョコ、いる?」


「今日はクラス会言うて駅前のカラオケ行く言うとったで?どうしたん??」


「なんか母親が呼べって・・。じゃいいや。じゃあな。」


「おう。」


母親はもちろん嘘。

健治にバレたくないしな。


クラス会か・・・。

邪魔したらあかんしな。

でも偶然装えばええんや。


車で駅前のカラオケに向かった。

車では20分程。

あいつ、酒とか飲んでへんならええけど。

クリスマスのときかなんか、オヤジにワイン飲まされてちょっとでヘロヘロなる弱い奴やからな。

危ないわ、絶対。


そんなことを考えとったらカラオケに着いた。

クラス会なら大部屋。

確か2階やったな。

サークルで前来たことあるし。

イソイソと階段で2階にあがった。

そして廊下を進んでたら・・チョコがちょいイケメンな男と肩組んで歩いとった。

見た瞬間叫んどった。

その男もきっとチョコって呼んどるだろうから、特別や俺は。って見せつけるため


「千代子!!」

って。
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