君に触れたくて…





わざと明るい話をしながら、教室に入った。


そうじゃなきゃ、自分を保てないよ…




「あ…」




あたしが席に着くと同時に、前のドアからゆきが入ってきた。



目があったけど、すぐに逸らされてしまった。



それはそうだよね。
もう彼氏じゃないんだもん…




教室の後ろでは、女の子たちと楽しく話している理音の声がする。



あたしはあの中の一員でもない。



わかんないよ、
どうしたらいいの?



だんだん自分にムカついてきた。

もう嫌だっ!




「はぁ…」



「深いため息ついちゃって」



「りっちゃん…」



「ちょっと来てよ」




なんだろ…




< 121 / 343 >

この作品をシェア

pagetop