君に触れたくて…
わざと明るい話をしながら、教室に入った。
そうじゃなきゃ、自分を保てないよ…
「あ…」
あたしが席に着くと同時に、前のドアからゆきが入ってきた。
目があったけど、すぐに逸らされてしまった。
それはそうだよね。
もう彼氏じゃないんだもん…
教室の後ろでは、女の子たちと楽しく話している理音の声がする。
あたしはあの中の一員でもない。
わかんないよ、
どうしたらいいの?
だんだん自分にムカついてきた。
もう嫌だっ!
「はぁ…」
「深いため息ついちゃって」
「りっちゃん…」
「ちょっと来てよ」
なんだろ…