君に触れたくて…
翌日―
偶然下駄箱で理音と会った。
「おはよっ!」
「…はよ」
素っ気ない返事をし、スタスタと先に行ってしまう理音。
「ま、待ってよ!」
あたしは急いで後を追い掛けた。
「一緒に教室まで行こう?」
「…勝手にすれば」
勝手にすれば、か…。
前までは言い合いとか普通にしてたのに…
あたしたち、何が原因でこうなっちゃったんだろう…
「はよー♪」
理音が2年棟に足を踏み入れた途端、彼の周りは女子だらけになる。
あたしの入る隙間なんてない。
「ちょっとどいてよ!」
肘で勢いよく押されたあたしは、後ろへ倒れた。