君に触れたくて…





俺は自然と手を緩めていた。




「お前は一体、秋桜のなにを見てんだよ」




幸弘は俺にそう言い、保健室を出て行った。



家に帰り、シャワーを浴びる。


暖かいお湯が心地いい。


俺のモヤモヤした気持ちを、すべて洗い流してくれているみたいだ。



風呂から上がり、携帯をチェックする。



着信あり



画面に記された文字。


ボタンを押すと“知佳”と書いてあった。



知佳に電話をかけなおす。



「もしもし?」



「電話あったけど」



「うん。…話があるんだ」




異様な雰囲気を感じながら、俺は待ち合わせた近くのコンビニまで行くことにした。




< 130 / 343 >

この作品をシェア

pagetop