君に触れたくて…
俺は自然と手を緩めていた。
「お前は一体、秋桜のなにを見てんだよ」
幸弘は俺にそう言い、保健室を出て行った。
家に帰り、シャワーを浴びる。
暖かいお湯が心地いい。
俺のモヤモヤした気持ちを、すべて洗い流してくれているみたいだ。
風呂から上がり、携帯をチェックする。
着信あり
画面に記された文字。
ボタンを押すと“知佳”と書いてあった。
知佳に電話をかけなおす。
「もしもし?」
「電話あったけど」
「うん。…話があるんだ」
異様な雰囲気を感じながら、俺は待ち合わせた近くのコンビニまで行くことにした。