君に触れたくて…




さすがの理音もきょとんとしている。



無理もない…
いきなり家に誘われてるんだもん。



「あー…ちょっと待って」



そう言って理音は誰かに電話をかけ始めた。


もしかして予定があったのかな?

なんだか悪いことしちゃったなぁ…



電話をかけながら、理音があたしの頭を撫でる。



幸せすぎて涙が出そう…
でも夢だったらどうしよう…


あたしは頬をつねってみた。


痛いのは当たり前。



ゆっくりと目を開ける。




「ふ(笑)」




目の前で笑っている理音。
…夢じゃない!




「あ、もしも…」



「ちょっと理音?!」



え…?



「お前声でけぇよ!」



「どこ行ってんのよー!」



女の人…?



理音の電話の相手は確かに女だ。


なんで?
どうして?



< 169 / 343 >

この作品をシェア

pagetop