君に触れたくて…
目を開けると薄暗い倉庫。
でも見覚えはある。
「目さめたか?」
ニヤニヤしながら、顎の毛を触る恭介先輩。
「秋桜に手だすな」
「はは(笑)かっこいい~!」
「なめた真似してんじゃねぇぞ」
「…なめた真似?」
恭介先輩の顔色が変わる。
「あ…お前にいいもん、見せてやるよ」
不気味に笑いながら、先輩はどこかへ行った。
俺は縄で縛られているため、身動きが取れない。
いいもん…?
まさか…秋桜じゃないよな…?
キィっと重たい扉の開く音がする。
カツカツと響く靴音がやけに不気味だ。
「こっちだ。連れてこい」
「ー…っ!」
連れてこられた奴は、俺が考えていた人物とは違っていた。
しかし、俺はそいつの状態を見て、声も出なかった。