君に触れたくて…




秋桜の目が、俺を…



やめろ、
そんな目で見るな。



全て見透かされそうな目。



「…っ!」



俺は掴んでいた秋桜の手を離した。



「つまんねぇ、やめた」



「え?おい!恭介っ」




一刻も早く、その場所から逃げたかった。



俺は、仲間の声に耳も貸さず、ただ呆然と公園を後にした。




その日から毎日、秋桜が頭から離れなかった。




友達のために普通あそこまでするか?



自分自身を犠牲にしてまで…


俺には考えられないことだ。




仲間のために

何かをする、
犠牲にする、
我慢する。



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