君に触れたくて…
「いいじゃんいいじゃん!」
男はガムを噛みながらニヤニヤ笑っている。
この人、なんか変だ。
あたしは身の危険を感じた。
早く帰らなきゃ!
「あの、あたし…用事あるんで」
その場から立ち去ろうとした瞬間、
あたしは男から腕を強く握られた。
え………
そしてそのままワゴン車へと
連れ込もうとする。
「離して!!!」
「離してあげられないんだ~♪
これからいい事しようよ」
不敵に笑う男が
とても気持ち悪く感じた。
「やだ…っ!助けて……おん…りおん!!!」
「ぐふっ」
手の圧迫感がなくなり、
あたしは地面に尻餅をついた。
「てめぇ俺の女になにしとんのや」
「ひっ!ご、ごめんなさい」
理音?
なんで理音が…?!
「次やったら殺す」
「ごめんなさいっ」
男は数秒もしない間に逃げた。
逃げ足は早い。