君に触れたくて…




「理音~、今日行く?」



「あー、俺パスっす」



「何かあるんか?」



「彼女とデートなんで」




作業着から私服に着替え、職場を出る。



少し離れたカフェに、あいつはいる。




俺は高校を退学になった。




度重なる不祥事、
学校での態度、
授業日数…



色々なことで退学の処分を受けた。




「遅れた、待った?」



「ううん、あたしも今来たとこ」



「そっか」



「ねぇ、理音…」



「なんだよ」



「今日の夜ご飯、何がいい?」



「んー、ハヤシライス」



「わかった(笑)」



「笑うなよ」



「だって、可愛いんだもん」



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