君に触れたくて…
そんな愛さえも気付かず、傷つけた。
「理音」
ベッドの中で、俺の名前を呼ぶ。
「ん」
彼女は俺の心を求めはしなかった。
ただ俺の欲求を満たすだけ。
だけど俺は、彼女に対して道具なんて考えは持たなかった。
恋人とは呼べない俺たち。
お互い愛し合ってるなんて、到底言えないけれど
それでも俺は、梨加を守って行こうと、大切にしようと、心に誓ったんだ。
………あの日
秋桜を守れなかった俺の
せめてもの償いに…。