君に触れたくて…
だから俺に任せるって?
おいおい…
「お前じゃなきゃ、向こうは嫌だろ」
「…ごめん、頼む」
珍しく真剣な理音の顔つきに、俺は分かったとしか言えなかった。
すべての経緯を聞いた時、俺はあれほどのバカはいないと思った。
幸いなことに恭介は警察に捕まった。
なのに…
あの女を巻き込んでしまった責任か?
どんな理由であれ、あいつは世界一のバカだ。
俺の横で悲しく笑う秋桜。
あいつが俺に任せたなら、俺は俺なりに、精一杯秋桜を愛してやる。
俺がお前の代わりになって、秋桜を愛してやる。
お前が迎えにくるまで、俺が守る。
そう、自分自身で俺は誓った。