君に触れたくて…
秋桜と別れたあと、
なぜか無性に気になって跡ををつけていた。
俺はストーカーか!
なんて思いながら。
「助けて!!……おん…りおん!!」
無意識に体が反応した。
無意識に体が動いていた。
―――秋桜が危ない。
あの糞野郎。
秋桜に触れやがった。
俺でさえまだ触れたことないのに。
潤んだ瞳で俺を見てくる秋桜を、
俺は無意識に抱き締めていた。
「守ってやれなかった」
秋桜は首を横に振り
「守ってくれたでしょ?」
と、俺に優しく微笑む。
……………好きだ。
俺は、秋桜が好きなんだ。
そう確信した瞬間、
抱き締めてはいけないと
俺の体は秋桜を拒絶した。