君に触れたくて…
いけない!
マナーモードにしとかなきゃ。
あたしは携帯をマナーモードにし、今来たメールを開いた。
《今日5時に正門前》
聡くんからのメールだった。
最近、毎日一緒に帰っている。
聡くんも仕事で忙しいのに、わざわざここまで迎えにきてくれる。
あたしは“分かった”と返信し、自分の席へついた。
………………――――
「ごめん、遅くなった」
時間より少し遅れて聡くんがきた。
「大丈夫」
「この近くにさ、新しくレストラン出来たみたいなんだけど一緒に行かない?」
「うん」
「じゃあ行くか」
聡くんはあたしの手を取り、ゆっくりと歩き始める。