君に触れたくて…



え?聡くん、あの人のこと知ってるの?



…当たり前か。
理音の親友だもんね、知ってて当然。



理音…、理音…、理音…、
やっと会えた…。



なのに…彼女いたんだね。



もうあたしの事、忘れちゃったのかな…




幸いなことに、理音はあたし達の存在には気付いていない様だった。




「何食べるんだよ」



「えー、何にしようかな」




2人の会話が嫌でも聞こえてくる。



理音の声…
大好きな声…。




「俺、オムシチューにしよ」




わ…あたしと同じだ。




それだけで嬉しく思う。




「秋桜」




聡くんが小さな声で話す。




「理音と話さなくていいのか」




……え?何、言ってるの?
話す?理音と?



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