君に触れたくて…
「もう…会えないかもしれないんだぞ」
分かってる、分かってるよ聡くん。
だけどね、話し掛ける勇気なんてないの…
あんなに楽しそうにしてるのに、あたしが入ったら、迷惑でしょ?
それにね…?
……怖い。
あたしの事、嫌いになってたら…
あたしの事、忘れてたら…
そう考えただけで、今にも涙が零れそうになる。
いいんだ。
ただこうやって元気な姿を見られれば…、それだけでいいから…
あたしは首を横に振った。
理音を忘れなきゃいけない。
ずっと引きずってたら理音も迷惑だよね…
「帰ろっか」
あたしはお会計の準備をする。
「…あぁ」
聡くん…ごめんね、
気を使ってくれたのに…