君に触れたくて…
社長が帰ったあとの、この空気ったら最悪で…
近藤さんは溜め池をもらしていた。
「あの…」
急に女の一人が口を開く。
「もっと女の子、呼びましょうか?」
は?何言ってんだこいつ。
「いいねー!男ばかりじゃむさ苦しいからな」
先輩達が賛同する。
女はニコッと笑って、どこかへ電話をしていた。
「なんか…合コンみたいだな」
ぽつりと近藤さんが呟く。
はぁ…
俺も心で溜め池をついた。
今日は梨加に“遅くなる”って伝えてあるし、時間は気にすることはないけど、何だか気分が重かった。
だけど下っぱの俺が“辞めましょう”なんて言える権利もない。