君に触れたくて…



「掃いてよね」


「は?」



俺が掃除?



「面倒くせぇ…」



ぶつぶつ文句を叩きながら、
俺は掃除をした。


そんな俺を見て、秋桜は優しく笑った。



その笑顔が見れるなら
俺は何だって出来そうな気がする。


お前の笑顔を見られるだけで
俺は十分なんだ……。





「さよならー」



終礼が終わり、帰ろうとした時だった。



「り…理音くん」



同じクラスの金本が初めて話しかけてきた。


金本は清楚な感じの子。


嫌いではない。



「なに」


「その…ここじゃちょっと…」


「なら保健室」



俺はそれだけ言うと、
足早に保健室まで行った。


運よく今日は先生が休み。

しかも保健委員の俺は
自分の好きなように保健室を使える。



俺はソファーに座って、金本を待った。


ガチャと扉の開く音がしたと同時に、
金本が入ってきた。





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