君に触れたくて…
金本は扉のところでモジモジしている。
「話しってなに」
「その…」
「…早くしろよ」
「…すき」
「…は?」
「好き…です」
…………は?
金本が、俺を好き?
こんなチャラチャラした俺を?
「ぷっ(笑)まじかよ」
「な、何で笑うの」
「いや、以外だなーと思って。
生徒会長とかさ、そこら辺が好きかと思った」
「…仕方ないでしょ」
「お前のことは嫌いじゃねぇけど、付き合えねぇ」
「何で?」
「さぁ」
「宮路さん?」
多分、今の俺はとても阿保らしい
顔をしているだろう。
「なんで」
なるべく冷静沈着で応えた。
気付かれては困る。
「だって…宮路さんの前だけよ。理音くんが笑うの」
「………」
まじかよ。
なんつー観察力。
確かに、秋桜といる時が一番楽しい。
でも…
「んなことねぇよ」
俺は無理矢理笑顔を作って
金本の頭をクシャクシャっと撫でた。