君に触れたくて…
「あたし、好きになってもらえなくてもいい…、付き合えなくてもいい…でもっ」
「でも…なに?」
「宮路さんは…無理だと思う…」
「…は?なんでお前にそこまで言われなきゃなんねーんだよ」
金本の言葉は、今の俺に重くのしかかった。
わかってる…そんなこと
秋桜に脈がないことくらい…
「帰れよ」
「えっ…」
「帰れ!!」
くそっ…
むしゃくしゃする。
そんな俺の前に、金本は座った。
「帰れっつってんだろ」
「嫌…そんな辛い顔の理音くん、置いて行けない」
「は?」
「理音くんが悲しむのは、嫌だから…」
おいおい、
俺に絶望感を与えたのはお前だろ。
「俺が悲しもうが、お前には関係ねぇだろ」
「関係なくなんかないっ!!
あたしは理音くんが好きなのっ!
好きな人が悲しむのを、見たくないのっ」