君に触れたくて…



りっちゃん、ひどい。


あたしだってりっちゃんみたいに
てきぱき動きたいもん。



このゆったりとした性格を
どうにかしたいものだ。



大人なりっちゃんに近づくのは
まだまだ先のような気がする。





「秋桜顔赤くない?」



「え?顔?
あ、朝微熱だったのが上がったのかなぁ」



「今すぐ保健室行って」



「でも…」



授業が…



「でも、じゃない。
あたしに風邪うつさないで」



「ぅ…はぁい」




あたしは渋々保健室に向かった。




「失礼しまーす…って、あれ?」



先生は不在みたいだ。



とりあえず、熱計ろう!



BOXの中から体温計を取り出し脇に当てる。



そんなに熱ないといいけど…



しばらくして
体温計が計り終わった合図を鳴らした。




「37、8か…」



朝より若干だけど、上がってる。


平熱が低いあたしにとって
7度台後半は結構きつかった。




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