君に触れたくて…



「俺…」




忘れよう。
俺はそう決めた。


こんな辛い想いをするなら、いっそ好きにならない方が楽なのかもしれない。




「お前の彼氏になってもいいけど?」




好きなのに…
届かない。
届いちゃいけない。


苦しい恋。



お前は、
お前にだけは、
汚れてほしくねぇんだよ…。



だから…
俺が傍にいたらダメなんだ…。




きっと俺は、このまま地の底を行くだろう。



何度も過ちを繰り返し、
欲望に満ちあふれ、女を弄ぶ。


そんな俺をお前は軽蔑するか?



…いっそのこと嫌いになってくれればいい。


そしたらこんな想い、しなくてすむ。



胸が…苦しいんだ。






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