君に触れたくて…




「秋桜、俺は…」



「………」



「お前とは…付き合えない」




しばらく沈黙になり、煙草だけがどんどん減っていく。



大好きなんだ、本当は秋桜が。


触れたいんだ、お前に。



でも…




「理音…。あたしは、理音の過去とか気にしない。あたしは全部知ってるよ?理音の女遊びが増えたことも、毎晩のように喧嘩してることも」



「え…」



「それでも、理音にいてほしい。理音じゃなきゃ、あたしを幸せには出来ないんだよ。…あたしが受け止めるから…。理音の全てを、あたしが理音を守るから…」




だから…だから




と小さな声で囁く彼女。




「もう一度、あたしの彼氏になってください」




…もう、何もいらない。




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