君に触れたくて…
運命
「…秋桜」
ベッドに横たわる、彼女の頬を触る。
機械で生命を繋がれているだけの彼女。
もう、俺の顔を見て
笑うことも
泣くことも
怒ることも
好きと言われることも
もう無いに等しい。
なぁ…
俺の名前を呼んでくれよ、
俺を見て、バカだと言ってくれよ、
俺を抱き締めてくれよ、
もう一度、
好きと言ってくれよ…
「…あきお……っ」
俺の目から涙が落ちる。
俺は彼女にキスをして、病室を出た。