君に触れたくて…




金本と一緒に飯食ってたら、
秋桜が隣に座った。


しかも知らない男と。



俺はそれだけで不機嫌になる。



誰だよその男…

秋桜に馴れ馴れしく話しかけんじゃねぇ。



秋桜も秋桜で笑ってるし…




「はぁ」



こんなこと、言える立場じゃないのは十分わかってる。



だけど…




「ゆきって面白いね」



ゆき?
そいつの名前?




「そう?秋桜の前だからじゃねぇの?」



お前ら、そんなに親しい仲なのか?


ゆきとか呼んで…
秋桜って呼び捨てすんなよ…



2人は楽しそうに食事をして、
学食を出て行った。


どこに行くんだろ…




「理音くん?」



「あ?」



「…気になるの?」



「…別に」




俺はご飯を無理矢理、喉に流しこんだ。




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