君に触れたくて…
目の前を通りすぎる2人。
ただ見ることしかできない俺。
自分に笑える。
本当情けねぇな…
俺は制服のポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
「秋桜…」
眩しすぎる太陽が、俺の冷めた心を照らした。
「理音くん…」
いきなり声がしたから驚いた。
振り返ると金本がいた。
「なんだ、金本か…」
「……あたしね、理音くんの事本当に好き」
見てたら分かる。
「でも…やっぱり辛いから、別れよう」
俺も辛い…
「自分に正直になってよ」
正直ってなに?
なった所でどうなんの?
「あっそ。じゃあな」
俺は口にくわえていた煙草を捨て、足で踏みつぶし屋上を出た。
あ゙ー、むしゃくしゃする。
ドンッ
「いってーな!」
先輩が俺にガンを飛ばす。
俺はそいつを押し倒し、
顔が腫れ上がるくらいまで殴った。