君に触れたくて…
滑りは悪いけど、夢中で腰を振った。
何も考えないように…
「あッん…いッたい」
「我慢しろ」
「理音っ」
プツンと、何かがキレる音がした。
下を見ると、痛そうに俺を見る秋桜がいた。
…え
何で秋桜がいるんだよ…
「グスッ…いたいよ…」
「秋桜…ごめんな」
俺は彼女をそっと抱きしめた。
「ごめんな…」
「り…おん?あたしは秋桜じゃない」
え?
彼女から離れ、見てみる。
違う…
秋桜じゃない。
幻覚を見てたのか?
俺はそっと目の前の女を抱き寄せた。
「ごめん」
どーかしてた、俺。
こんな事しても、意味ねぇのに…
何で…何で…
本当に欲しいものは、
手に入らねぇんだよ…。