君に触れたくて…





「何で本当に触れたいやつには、
触れられないのかな」




ズキッ




あたしの心が悲鳴をあげる。



理音…
好きな人、いるんだ。

なんだ…いるのか。




「秋桜、出よ」



「あ、うん」




あたしは、逃げてばかりだ。



翌日―



「授業始めるぞー」



担任が教室に入ってきて、
委員長が始まりの挨拶をする。


今日は文化祭の話し合い。




「二組も何か出し物をする。
劇でも店でもなんでもいーぞ!少し周りと話しあえ」




周りがざわざわしだし、動きだす。


みんな楽しそう。




「秋桜」



「りっちゃん」



「何したいー?」



「うーん…あたしは模擬店したいなぁ」



「だよね!あたしも」



「例えばたこ焼きとか!」





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