君に触れたくて…




「ありきたりじゃん(笑)」



「あはは(笑)だよねぇ」



やっぱり友達と話すのは楽しい。


「はい、じゃぁ意見を出せー」



次々に出し物の候補があがっていく。


劇とか金魚すくいとか…



「意見はもう無いか?」



「はーい、まだありますよ」




後ろを向くと、理音が手をあげていた。


その周りは派手な顔つきの女の子たちがいる。


なぜかその光景を見るだけで
あたしの心はチクッと痛む。




「なんだ?」



「ホストとメイド♪」



「はぁ?」



担任が首を傾げる。

あたしもびっくりだ。


ってか、ホストとメイドって…
なにするの?



あたしの疑問をよそに
クラス中が納得の雰囲気だ。




「じゃぁ多数決だな」




順番に手をあげていく。


あたしとりっちゃんは、たこ焼きに手をあげた。


が、




「たこ焼き却下」



理音が後ろで言った。




「ありきたりでつまんねぇ」



「だよねー♪」



「やっぱホストでしょ☆」





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