君に触れたくて…
放課後―
「ふぁぁ」
誰かの大きなあくび声が聞こえる。
――秋桜だ。
一目見るだけで、
こんなに好きの思いが溢れる。
話し掛けたいと思う。
お前の笑顔が見たいと思う。
秋桜に、触れたいと思う…。
でもそれは、到底無理な話。
このモヤモヤした気持ち、
どうにかなんねぇかな…
「高橋」
「涼子…どうした」
涼子とは“りっちゃん”のこと。
秋桜の親友だ。
それに、俺の事を唯一“高橋”と呼ぶやつ。