君に触れたくて…
「聡」
俺は教室から出ていく聡を呼びとめた。
「…りおん?…」
「久しぶりだな」
「…あぁ」
「少し…話せるか」
俺たちはきっと、切っても切れない縁なんだと、この時そう思った。
外は学園祭の真っ只中。
騒がしい生徒の声が遠くに聞こえる。
「店はいいのかよ」
「あぁ、大丈夫」
中学のころから変わってねぇ。
こいつの心配性なところ。
「お前、この高校に通ってたんだな」
聡が窓の外を眺めながら言う。
俺達は、中学時代、親友だった。
当時の俺は、今以上に荒れていて、女もとっかえひっかえ。
飽きたらすぐに捨て、ただ性欲を捨てるためだけの道具としてしか見ていなかった。