月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
それはあたしも同じだ。
「昨日は病院(ここ)に来なかったが、多江さんに何か変わったことはなかったか」
達郎兄ちゃんの問いに、あたしは大きくうなずいた。
「あのね…」
昨日の屋上でのやり取りを話す。
達郎兄ちゃんにも伝わるように、できるだけ事細かに伝えた。
「『ありがとう』と『さようなら』か…」
達郎兄ちゃんは唇を尖らせた。
「気になったのって、そこなの?」
あたしは多江さんのキャラの変化がひっかかってるんだけど。
「カホは多江さんの人格が変わったと言いたいわけか?」
「はっきりとは言えないけどさ、感じはいつもと違ってた」
「オレは多江さんとは親しかったわけじゃないから、カホの話だけでは何とも言えないな」
多江さん、最初は達郎兄ちゃんのことわすれてたもんね。
「いずれにせよ、そこからは多江さんの死の謎は解けないな」
「うん…」
しばしの沈黙が流れる。
その後、口を開いたのは達郎兄ちゃんだった。
「昨日は病院(ここ)に来なかったが、多江さんに何か変わったことはなかったか」
達郎兄ちゃんの問いに、あたしは大きくうなずいた。
「あのね…」
昨日の屋上でのやり取りを話す。
達郎兄ちゃんにも伝わるように、できるだけ事細かに伝えた。
「『ありがとう』と『さようなら』か…」
達郎兄ちゃんは唇を尖らせた。
「気になったのって、そこなの?」
あたしは多江さんのキャラの変化がひっかかってるんだけど。
「カホは多江さんの人格が変わったと言いたいわけか?」
「はっきりとは言えないけどさ、感じはいつもと違ってた」
「オレは多江さんとは親しかったわけじゃないから、カホの話だけでは何とも言えないな」
多江さん、最初は達郎兄ちゃんのことわすれてたもんね。
「いずれにせよ、そこからは多江さんの死の謎は解けないな」
「うん…」
しばしの沈黙が流れる。
その後、口を開いたのは達郎兄ちゃんだった。