月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「多江さんが死んだの、あたしのせいだ…」
そう言った途端、達郎兄ちゃんの胸板があたしの顔に押しつけられた。
達郎兄ちゃんが、あたしを抱き寄せたと理解するのに、時間はかからなかった。
「馬鹿を言うな、カホ」
頭の上で、達郎兄ちゃんの優しい声が響く。
「カホのせいで多江さんが自殺したなんて、そんなワケあるか」
「でも…」
「それに言っただろ。本当に多江さんが自殺したと思うか、ってな」
確かに達郎兄ちゃんはそう言った。
「じゃあ、多江さんはなぜ死んだの?」
「今、それを調べてるんだよ」
達郎兄ちゃんはあたしの頭を撫でた。
「だからまだ今は泣くな、カホ」
「無理…」
あたしは達郎兄ちゃんの胸に顔をうずめながら、首を振った。
「この状況でいい子いい子されたら、よけい泣く…」
すると、頭の上で達郎兄ちゃんは笑った。
「鼻水はつけるなよ」
…達郎兄ちゃんのバカ。
そう言った途端、達郎兄ちゃんの胸板があたしの顔に押しつけられた。
達郎兄ちゃんが、あたしを抱き寄せたと理解するのに、時間はかからなかった。
「馬鹿を言うな、カホ」
頭の上で、達郎兄ちゃんの優しい声が響く。
「カホのせいで多江さんが自殺したなんて、そんなワケあるか」
「でも…」
「それに言っただろ。本当に多江さんが自殺したと思うか、ってな」
確かに達郎兄ちゃんはそう言った。
「じゃあ、多江さんはなぜ死んだの?」
「今、それを調べてるんだよ」
達郎兄ちゃんはあたしの頭を撫でた。
「だからまだ今は泣くな、カホ」
「無理…」
あたしは達郎兄ちゃんの胸に顔をうずめながら、首を振った。
「この状況でいい子いい子されたら、よけい泣く…」
すると、頭の上で達郎兄ちゃんは笑った。
「鼻水はつけるなよ」
…達郎兄ちゃんのバカ。