月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
屋上の女(ひと)その2
「お忙しいところ申し訳ありません」
達郎兄ちゃんが頭を下げると、2人の看護婦さんは会釈を返した。
1人は高森さん。
もう1人は昨夜、藤上先生と一緒に病院内の捜索にあたっていた鈴木さんだ。
どちらも勤務中にも関わらず、無理を言って、ここ(あたしの病室)に来てもらった。
…まぁ正確に言うと、達郎兄ちゃんがお願いしたら、高森さんが鈴木さんを引っ張ってきてくれたって感じなんだけど。
それにしても偶然ってあるのね。
鈴木さんは、和夫さんの自殺騒ぎの時に声をかけた、あのぽっちゃりした看護婦さんだったのである。
「まず鈴木さんの方からお話を伺ってもよろしいですか」
「は、はい」
達郎兄ちゃんにそう訊かれ、鈴木さんはうなずいた。
だが、おどおどしているのは明らか。
無理もない。
警察以外から事情聴取を受けるんだもの、何だと思ってるはずだ。
「昨夜、鈴木さんは藤上先生と行動を共にされていたそうですね」
「はい」
達郎兄ちゃんが頭を下げると、2人の看護婦さんは会釈を返した。
1人は高森さん。
もう1人は昨夜、藤上先生と一緒に病院内の捜索にあたっていた鈴木さんだ。
どちらも勤務中にも関わらず、無理を言って、ここ(あたしの病室)に来てもらった。
…まぁ正確に言うと、達郎兄ちゃんがお願いしたら、高森さんが鈴木さんを引っ張ってきてくれたって感じなんだけど。
それにしても偶然ってあるのね。
鈴木さんは、和夫さんの自殺騒ぎの時に声をかけた、あのぽっちゃりした看護婦さんだったのである。
「まず鈴木さんの方からお話を伺ってもよろしいですか」
「は、はい」
達郎兄ちゃんにそう訊かれ、鈴木さんはうなずいた。
だが、おどおどしているのは明らか。
無理もない。
警察以外から事情聴取を受けるんだもの、何だと思ってるはずだ。
「昨夜、鈴木さんは藤上先生と行動を共にされていたそうですね」
「はい」