月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「途中で藤上先生と別行動をとったと、聞きましたが」
「はい」
「藤上先生と別れた後の行動を、具体的に教えて頂けますか」
「はい。先生と別れた後、私は下の階から順に、大部屋をまわりました」
「それは鈴木さん自らの判断で?」
「いえ、藤上先生の指示です」
達郎兄ちゃんの唇が尖った。
「鈴木さんが大部屋をまわっていた間、藤上先生はどうされてたかわかりますか」
「上から順に、個室を見てまわっていたと思います」
「それは確かですか」
「ええ。先生は上から見てくるとおっしゃってましたから」
「カホ」
達郎兄ちゃんがあたしを見たが、あたしは首を振った。
あたし自身は藤上先生には会ってない。
達郎兄ちゃんはもう一度鈴木さんに訊いたが、先生がそうおっしゃっていたから、そう思うしかないという返事が返ってくるだけだった。
「わかりました」
達郎兄ちゃんはうなずくと、今度は高森さんの方を向いた。
「はい」
「藤上先生と別れた後の行動を、具体的に教えて頂けますか」
「はい。先生と別れた後、私は下の階から順に、大部屋をまわりました」
「それは鈴木さん自らの判断で?」
「いえ、藤上先生の指示です」
達郎兄ちゃんの唇が尖った。
「鈴木さんが大部屋をまわっていた間、藤上先生はどうされてたかわかりますか」
「上から順に、個室を見てまわっていたと思います」
「それは確かですか」
「ええ。先生は上から見てくるとおっしゃってましたから」
「カホ」
達郎兄ちゃんがあたしを見たが、あたしは首を振った。
あたし自身は藤上先生には会ってない。
達郎兄ちゃんはもう一度鈴木さんに訊いたが、先生がそうおっしゃっていたから、そう思うしかないという返事が返ってくるだけだった。
「わかりました」
達郎兄ちゃんはうなずくと、今度は高森さんの方を向いた。