月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「高森さん、貴女は婦長さんと一緒だったそうですね」
「は、はい!」
達郎兄ちゃんに正面から見すえられ、高森さんは変てこな声を出した。
達郎兄ちゃんは特に気にした風もなく、言葉を続ける。
「婦長さんが多江さんを見つけた時の状況を、詳しく話して頂けますか」
「は、はい…」
高森さんは一度深呼吸してから口を開いた。
「病院の外を捜索することになって、私と婦長さんは病院の周囲をぐるりと回りました」
だが多江さんの姿はなく、婦長さんも高森さんも次第に焦りを覚えるようになった。
その時である。
『多江!』
婦長さんの叫ぶ声が聞こえ、そちらを振り向くと、婦長さんが屋上を見上げていた。
「婦長さんは確かに『多江』と言ったんですね」
「はい」
達郎兄ちゃんの問いかけに、高森さんはうなずいた。
「…昨夜は天気よかったですか」
「は? は、はい」
「は、はい!」
達郎兄ちゃんに正面から見すえられ、高森さんは変てこな声を出した。
達郎兄ちゃんは特に気にした風もなく、言葉を続ける。
「婦長さんが多江さんを見つけた時の状況を、詳しく話して頂けますか」
「は、はい…」
高森さんは一度深呼吸してから口を開いた。
「病院の外を捜索することになって、私と婦長さんは病院の周囲をぐるりと回りました」
だが多江さんの姿はなく、婦長さんも高森さんも次第に焦りを覚えるようになった。
その時である。
『多江!』
婦長さんの叫ぶ声が聞こえ、そちらを振り向くと、婦長さんが屋上を見上げていた。
「婦長さんは確かに『多江』と言ったんですね」
「はい」
達郎兄ちゃんの問いかけに、高森さんはうなずいた。
「…昨夜は天気よかったですか」
「は? は、はい」