月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「あのー」
湯月くんがおずおずと口を開いた。
「僕、来ない方が良かったですか?」
「どうしてそうなるのよ!」
どんなネガティブ野郎だお前は!?
「まぁそう怒るなよ」
顔を真っ青にしている湯月くんに代わって、達郎兄ちゃんが口を開いた。
「湯月くんは先生から預かった課題を持ってきてくれたんだから」
達郎兄ちゃんの言う通り、湯月くんはプリントの束を抱えていた。
「あ、ごめん。ありがとうね、湯月くん」
「い、いえ」
湯月くんはあたしにプリントの束を押しつけた。
「じゃあ僕はこれで!」
そう言うと湯月くんは駆け出すようにして病室を出ていった。
「湯月くん!」
あたしは後を追おうとしたが、ベッドから降りる直前、足をケガしていたことを思い出した。
「気付いて良かったな、カホ」
達郎兄ちゃんが飄々と言った。
「気付かず降りたら入院が延びるところだった」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
湯月くんがおずおずと口を開いた。
「僕、来ない方が良かったですか?」
「どうしてそうなるのよ!」
どんなネガティブ野郎だお前は!?
「まぁそう怒るなよ」
顔を真っ青にしている湯月くんに代わって、達郎兄ちゃんが口を開いた。
「湯月くんは先生から預かった課題を持ってきてくれたんだから」
達郎兄ちゃんの言う通り、湯月くんはプリントの束を抱えていた。
「あ、ごめん。ありがとうね、湯月くん」
「い、いえ」
湯月くんはあたしにプリントの束を押しつけた。
「じゃあ僕はこれで!」
そう言うと湯月くんは駆け出すようにして病室を出ていった。
「湯月くん!」
あたしは後を追おうとしたが、ベッドから降りる直前、足をケガしていたことを思い出した。
「気付いて良かったな、カホ」
達郎兄ちゃんが飄々と言った。
「気付かず降りたら入院が延びるところだった」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」