月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
達郎兄ちゃんがあたしに視線を向ける。
あたしはうなずいた。
『あたしも、このままじゃいけないよね』
多江さんは確かにそう言った。
「多江さんの病気が治る事によって、婦長には不都合が生じたんだろう」
「不都合って何よ」
「それを調べるのがレミの仕事だ」
麗美姉ちゃんは下唇を尖らせたが、達郎兄ちゃんは無視して話を続ける。
「その不都合があったから、婦長は…いや、婦長と藤上医師は、昨夜に多江さんを殺害したんだ」
そして、と達郎兄ちゃんは付け加える。
「携帯メールを利用して多江さんの自殺を偽装したんだ」
「和夫さんの自殺未遂も好都合だったんだね」
「そうだな」
「メールの遺書は誰が送ったのよ」
「婦長が多江さんの携帯を使って、自分の携帯に送ったんだろう」
麗美姉ちゃんの問いに答えながら、達郎兄ちゃんはファイルを開く。
「だから字を間違えたんだろう。婦長にとっての【おば】は経営者である【伯母】だけだからな」
あたしはうなずいた。
『あたしも、このままじゃいけないよね』
多江さんは確かにそう言った。
「多江さんの病気が治る事によって、婦長には不都合が生じたんだろう」
「不都合って何よ」
「それを調べるのがレミの仕事だ」
麗美姉ちゃんは下唇を尖らせたが、達郎兄ちゃんは無視して話を続ける。
「その不都合があったから、婦長は…いや、婦長と藤上医師は、昨夜に多江さんを殺害したんだ」
そして、と達郎兄ちゃんは付け加える。
「携帯メールを利用して多江さんの自殺を偽装したんだ」
「和夫さんの自殺未遂も好都合だったんだね」
「そうだな」
「メールの遺書は誰が送ったのよ」
「婦長が多江さんの携帯を使って、自分の携帯に送ったんだろう」
麗美姉ちゃんの問いに答えながら、達郎兄ちゃんはファイルを開く。
「だから字を間違えたんだろう。婦長にとっての【おば】は経営者である【伯母】だけだからな」