月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
麗美姉ちゃんと達郎兄ちゃんのやり取りを聞きながら、あたしは昨日までの藤上(もう呼び捨てにしてやる)の様子を思い出していた。
そうか、キョドってたのは、そういう理由があったのか。
「犯行は、だいたい達郎の推理通りね」
婦長(『さん』つけるのやめた)が多江さんを言葉巧みに騙して睡眠薬を注射。
藤上が多江さんをかついで屋上に上がり、投げ落とした。
「婦長の供述によると、雪村多江は自分を取り戻していたらしいわ」
これも達郎兄ちゃんの推理通り。
「この病院の経営者は雪村多江が全快したら、生前贈与も検討していたそうなのよ」
それを知っていた婦長はあせった。
このままでは遺産が入らないことは確実。
そこで多江さんの殺害を決意した。
「多江さんを殺してしまえば、あとは何とでもなると思ったんだろう」
「まったく、アホの極みよね」
達郎兄ちゃんの言葉を受けて、麗美姉ちゃんは憤る。
そうか、キョドってたのは、そういう理由があったのか。
「犯行は、だいたい達郎の推理通りね」
婦長(『さん』つけるのやめた)が多江さんを言葉巧みに騙して睡眠薬を注射。
藤上が多江さんをかついで屋上に上がり、投げ落とした。
「婦長の供述によると、雪村多江は自分を取り戻していたらしいわ」
これも達郎兄ちゃんの推理通り。
「この病院の経営者は雪村多江が全快したら、生前贈与も検討していたそうなのよ」
それを知っていた婦長はあせった。
このままでは遺産が入らないことは確実。
そこで多江さんの殺害を決意した。
「多江さんを殺してしまえば、あとは何とでもなると思ったんだろう」
「まったく、アホの極みよね」
達郎兄ちゃんの言葉を受けて、麗美姉ちゃんは憤る。